大学入試の国語で出題される問題の中に近代(世)文語文(擬古文)というものがあります。これは簡単にいえば「古文や漢文の見た目をしている現代文」です。もう少し詳しく書けば、おおよそ江戸時代から明治時代にかけて書かれた文章で、古文漢文の文法知識と現代文の読解能力を同時に試しているわけです。近代文語文を出題する大学・学部はさほど多くありませんが、自分の志望する大学が近代文語文を出題する場合はしっかりと対策しましょう。(京都大学はしばらく出題がありませんので、有名どころは一橋大学と上智大学・早稲田大学の一部の学部くらいでしょうか)
 そうはいっても特別なことをする必要はありません。まずは別々の科目として、古文・漢文の文法と現代文で筆者の意図を読み取る訓練をしておけば、近代文語文は自ずと読めてくるようになります。あとは慣れの問題ですから、過去問や予想問題、参考書などをつかって演習しましょう。
★『近代文語文問題演習 (駿台受験シリーズ)』 川戸昌・二宮加美(編纂) 駿台文庫
近代文語文の問題集は大変数が少ないです。現状手に入るのは上記の1冊のみかと思われます。そういう意味でも近代文語文を出題する大学の志望者には必携の本です。