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もともと国公立大学の第一次選抜のための試験としてはじまったセンター試験(はじまった当初は共通一次試験という名前でしたが)。いまでは大多数の私立大学もセンター試験を利用して選抜をおこなっています。しかし、一定レベル以上の私立大学は定員のほとんどをセンター試験を利用しない一般入試で選抜します。では私立大学志望者がセンター試験を受験する意味はどこにあるのか。この記事ではこれについて述べてみます。
私立大入試の方式
センター利用入試について考えるにはまず私立大の入試方式にはどんなものがあるのか知っておく必要があります。大学ごとに名称は微妙に異なりますが、主な方式は以下の6つに分けられます。
① 一般入試による選抜
大学が独自に実施する学部ごとの入試です。募集人数は②と合わせて数百人程度です。大学入学者のうちのほとんどがこの方式で合格したひとです。その意味で大学のレベルを測るのに最も適しています。実際、予備校がだしている大学の偏差値表は一般入試の結果から計算したものです。
② 合算判定(一般+センター)による選抜
センター試験の点数と一般入試の点数を合わせて学部ごとに合否を判定する選抜方法です。募集人数は①と合わせて数百人程度です。センター試験が高得点であれば一般入試の前に他の受験生よりも一歩先んじることができます。また、合算判定では一般入試のみの場合に比べて一般入試で受験しなければならない科目が少ないため、直前期の負担軽減になります。しかし、一般入試での受験がなくなるわけではないので合算判定による選抜においてセンター試験は保険程度の意味合いです。
③ センター利用入試による選抜
センター試験の点数のみで学部ごとに合否を判定する選抜方法です。募集人数は各学部数十人程度です。大学独自の試験を課さないため負担が少なくて済む一方、要求されるレベルは一般入試よりも高いです。
④ 統一入試による選抜
大学が独自に実施する全学部共通の入試です。募集人数は各学部数十人程度です。1月末から2月上旬にかけて実施される場合が多く、一度の試験で複数の学部の合否判定を受けることが可能です。受験料も割安です。
⑤ AO入試による選抜
小論文や面接などによって選抜を行います。募集人数は数十人程度が相場です。高校の評定平均値が一定値以上ないと出願資格がないものもあるので注意が必要です。また、入試時期が他の方式とは大きく違う(秋頃)ので、受験を検討している方は早めに準備を進めてください。
⑥ 指定校推薦による選抜
昔ながらのいわゆる「推薦」です。高校ごとに数人の枠が与えられ、高校側が推薦する生徒を決定します。どの大学から何人分の推薦枠をもらっているのかといったことは高校ごとに異なります。詳細は高校の進学担当の先生に聞いてみてください。
センター利用入試の科目数
ではセンター利用入試のためには何科目センター用に勉強すればよいのでしょうか。②であれば1科目程度、③であれば3科目以上が一般的です。③に関しては出願の際に使用する科目数を選択します。科目数ごとに定員が分かれていて別々に合否判定を行い、異なる科目数の併願はできません。私立の一般入試は通常3科目ですから、4科目以上になるとセンター試験のためだけに新たに勉強しなければなりません。しかし、科目数が多いほど合格最低点が下がる傾向があるので時間に余裕のある人は4科目以上のセンター利用入試を検討するとよいでしょう。
センター試験と一般入試の範囲の違い(英・国)
私立専願のひとがセンター利用4科目以上を受験するなら当然勉強する科目を増やさなければなりませんが、センター利用3科目のひとでも勉強する範囲を広げなければならない場合があります。それはリスニング(文系・理系どちらも)と漢文(文系)です。センター試験は高校の学習範囲からまんべんなく出題されるのでリスニング、漢文ともに50点の配点があります。私立の一般入試では出題されないからといって全く勉強していないと痛い目をみます。最低限でよいのでちゃんと対策しましょう。高校、予備校でこれらの授業があるというひとは寝ずに聞いてください。授業がないというひとは勉強法を載せておきましたので参考にしてください。
センターリスニングの勉強法、センター漢文の勉強法(近日UP)
センター利用入試の利点
果たして勉強する科目や範囲を増やしてまでセンター利用入試を受ける利点はあるのでしょうか。わたしはセンター利用入試をうけるメリットは大いにあると考えています。第一に、②のような試験形態では一般入試で失敗したときのための保険の役割を果たします。また③のセンター利用入試の合格最低点は確かに高いですが、自分の実力より若干下の滑り止め大学ならばまず受かります。金銭的な問題がなければ滑り止め校の受験はするはずです。センター利用入試を受ければ試験会場に行かずにしかも早い段階(2月上旬に発表のところがほとんど)で滑り止め校を確保できるのですから、これを利用しない手はないでしょう。早めに滑り止めを確保して身体的・精神的負担を軽くすれば、第一志望校の合格も近づきます。
結論
私立の一般入試で使う科目以外にも得意科目があったというひとや、リスニングと漢文を学べる環境にあるひとはセンター利用入試を受験することを強く勧めます。また、上記に該当しないひとでもがんばってみる価値はあると思います。せっかく便利な制度があるのですから積極的に利用しましょう。
センター利用入試に関して多くの大学に共通する事項はこの記事で述べたとおりですが、個々の大学によって科目の指定状況などが異なりますので、必ず資料を取り寄せて調べておいてください。「テレメール進学サイト」というウェブサイトでは全国の大学の大学案内や願書を取り寄せることができます。願書は有料の大学がありますが、大学案内はほとんどの私立大学で無料です。郵送料もかかりません。センター利用入試の指定科目などは大学案内をみればわかりますから、自分が受けるかもしれないと少しでも思った大学は一通り請求しておくことを勧めます。
→テレメール進学サイト
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