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6月にもなると大手予備校は揃って夏期講習の勧誘を始めます。「合格者の平均受講講座数は10講座!」「合格者の話:わたしは学習ペースを維持するために全タームに講習を入れました」……パンフレットいっぱいに書かれた、講座たくさんとらないと受からないよという悪魔の囁きの数々。困り果てて予備校に相談に行くとパンフレットの文言よりも激しい勧誘でヘトヘト。みなさんはそんな経験ありませんか。
夏期講習で10講座とることが有効なのか、冷静になればすぐにわかることです。1講座15,000円が相場ですから10講座で15万円、これは通年講座の1学期までの月謝のおよそ2倍です。倍のお金を出すからには倍の分量を学ばなければ割に合いません。4月から学んできたことの倍の分量を夏休みだけで消化しきれますか。「夏期講習で10講座」は金銭ずくの予備校が作った嘘です。
では講習はまったく意味がないのでしょうか。わたしはそれも違うとおもいます。使い方次第で有効に活用できるのだということです。この記事では講習の賢い活用法を《どの科目を重視するのか》と《どの種類の講座をとるべきか》の2つの側面から考えていきます。さらに前者に関しては①予備校通いの浪人生、②予備校通いの現役生、③塾なし現役生と宅浪生、の3つの場合に分けてみていきます。
《どの科目を重視するのか》
①予備校通いの浪人生
基本的に通年の講座で十分です。夏期講習をたくさんとっているヒマがあるのなら1学期のテキストをやり直してみてください。そちらのほうがよっぽど力がつきます。予備校や講師は盛んに講座をとるように言うでしょうが、うまく受け流して自分で勉強しましょう。ただし、1学期でがんばって勉強したのにうまくいかなかった科目があるのなら、軌道修正のつもりでいくつか受講してみるのも悪くないでしょう。あくまで「がんばって勉強したのに」うまくいかなかった科目ですよ。勉強せずにうまくいかなかったのなら勉強すればいいだけです。それは自分でやれば事足ります。
②予備校通いの現役生
こちらも通年の講座を受講している科目に関しては夏期講習をとる必要はありません。しかし、浪人生のように全科目通っているわけではないでしょう。普段通っていない科目の中で伸び悩んでいる科目や、センター試験でしか使わないなどの理由で普段あまり対策していない科目を受講してみるのはたいへん意味があることだとおもいます。
③塾なし現役生と宅浪生
2学期から予備校へ通おうとか、センター対策は予備校に任せてしまおうなどと考えている人はやはりとるべきです。しかし、最後まで自分のペースでやろうと考えているならば夏に余計なノイズを入れずに一定のペースで勉強するほうがきっとうまくいきます。③のような自分で勉強を進めていけるタイプの人は講習をうけるよりも信頼できる人に質問するほうが効率的に勉強できるはずです。夏期講習のあいだ講師はみんな忙しそうにしていますから(実際忙しいです)、質問する相手は高校の先生やチューターなどがいいでしょう。予め話をつけておきましょう。
《どの種類の講座をとるべきか》
どの種類の講座をとるべきか考える前に、成績が伸び悩むのはいったいなぜなのか考えたいとおもいます。「伸び悩んでいる」というのは「結果が出ていない」と同義です。受験において「結果が出ていない」というのはすなわち「演習や模試で点が取れない」ということです。ところで、点が取れないということの前提条件は2つあることにみなさんは気づいていますか。その2つとは「勉強しなかったので(点が取れない)」と「勉強したのに(点が取れない)」です。当たり前じゃないかと怒られてしまいそうですが、実はここが重要なポイントです。もう少し突き詰めてみましょう。前者はなぜ勉強しなかったのでしょうか。その科目に悪いイメージがあるからというのが合理的な解答のひとつです。その科目の教師が嫌いといった些細なことから勉強しなくなり、ついていけなくなる。当然試験でよい点はとれないからますますその科目が嫌いになってしまう、という負の連鎖にはまってしまうわけです。対して後者は勉強はしているわけです。しかし点数がとれない。これはつまりやり方が悪いということです。ただ、問題を解く際に必要な知識はある程度もっているでしょうから、ひとつの科目のなかでも分野ごとに出来にバラつきが出るのが特徴です。ここまでみてくれば同じ「点数が取れない」という症状でもまったく別の原因から起こっているのだということがわかるとおもいます。世の中では前者を「嫌いな科目」、後者を「苦手科目」と呼びます。
これらの対処法ですが、嫌いな科目であればまずは負の連鎖を断ち切ること、すなわちまずはその科目を好きになることです。こういうときこそ予備校を活用しましょう。標準から基礎レベルの講座で、広く浅く学べる講座を探しましょう。予習はそこそこでいいですから授業をちゃんと聞いて復習をしっかりやってください。反対に苦手科目であれば知識の運用の仕方を学ぶことが重要です。網羅性は捨てて、自分の苦手なところをピンポイントで学べる狭く深い講座を探しましょう。予習を必ずやって授業を聞きながら自分の解き方を軌道修正していってください。
前回の記事でY-SAPIXの大学生インストラクターは個別指導の講師に似た性質をもっていると書きましたが、そこでの個別指導とはあくまで大学受験対策予備校による個別指導という意味で、いわゆる定期試験対策に特化した学習塾は含まれていません。今回は、こうした定期試験対策特化型の個別学習指導塾について書いてみたいと思います。
塾の種類
まず皆さんが指導者のもとで学校以外の場所において勉強しようと思ったときに検討する指導形態の主な選択肢は次の3つです。
① 大手予備校などが行う集団授業(少人数制でも授業という形をとっていればこちらに含む)
② 定期試験対策特化型の個別学習指導塾(課題持参 ⇒ 講師に質問 という形態のもの)
③ 家庭教師(1対1。主に生徒の自宅にて指導)
まずは《①》と《②・③》を比較してみましょう。①の長所はほとんどが専任のプロ講師であるため授業の質が高いレベルで安定しやすいこと。短所は講師が一度にたくさんの生徒を教えるので個々の生徒に目を配りづらく、よく質問にいくなど積極性のある生徒以外は名前も覚えないほどマスプロ化しているということ。②・③の長所は講師が一度に相手する生徒の人数はわずかであるため、より生徒各々のレベルに合わせた指導が期待できること。短所は①に比べ授業料が割高であるということ。
おそらく②を選択する生徒さんの思考は次のようなものでしょう。
「集団授業についていけなくなってしまった(か、ついていける自信がない)。つきっきりで教えてほしいが家庭教師は割高な気がするし、どこに頼めばいいのかもわからない。そうだ、テレビでCMをよくやっているあの個別指導塾へ行こう!」
こう考えて②を選択した生徒さんは早々に幻滅を感じることになるでしょう。理由は簡単です。わざわざ番号を分けたくらいですから皆さん既にお分かりかと思いますが、②と③は全く違うものだからです。
個別指導講師≠家庭教師
では、②と③の最大の違いは何なのでしょうか。勉強場所が教室か自宅か?オリジナルテキストを使うかどうか?そんな瑣末なことではありません。最大の違いは
《一人の講師が継続的に教えてくれるかどうか》
というものです。私の基準では一人の講師が継続的に教えてくれるものを③、そうでないものを②と分類しました。したがって大手予備校で行われている個別指導(例:代々木ゼミナール個別指導スクール)などは一人の講師が継続的に教えるものが多いので「個別指導」と名がついていても③に分類します。
②は生徒が登校してきた段階でシフトに入っていた講師が担当します。そのためほぼ毎回違う講師ということも珍しくありません。講師が変われば教え方も変わりますから生徒は当然混乱します。その日に何を教えたかということを記した引継書のようなものは存在しますが、どういう風に教えたかということまではわかりませんから、生徒の頭の混乱を防ぐ効果はあまり期待できません。また講師の側にとっても毎回生徒が変わるわけですから教えにくいし教え甲斐もない。だから講師のモチベーションも低い(全員がそうだとは言いませんが)。以前わたしもこの形態の塾でアルバイトをしていましたが、この手の塾は労働環境も悪いことが多く(サービス残業等)、アルバイト先としてもオススメできません。私の場合は2ヶ月でやめました。ここまで書けば②のようなタイプの塾が学力向上につながることはその構造上ありえないということがわかっていただけると思います。
それでも個別指導が気になるという人へ
それでも②が気になるという人へ、よくある質問を想定してそれに答えるという形で実態を伝えたいと思います。
● 毎回違う講師でも一人一人に気を配ってくれるならいいんじゃない?
⇒ ほとんどの②の塾は1対1ではありません。一人の講師につき2~4人が普通です。さらに集団授業では当然生徒皆が同じテキストを使いますが、②の塾では教材は生徒が持参したものであったり、オリジナルテキストを準備しているところでも科目・進度が違う生徒を一人の講師が担当します。これでも各生徒に気を配っているといえるのでしょうか。
● 個別は割安だし…
⇒ 本当に割安なのでしょうか。②の塾の相場は[90分3,000円前後]ですが、これは大手予備校の季節講習[90分×5回 15,000円]と同じ単価です。また②の塾は季節講習などでコマ数を多く取るようしつこく勧誘してきたり、半ば強制的にコマを取らされてしまうことすらあるそうです。家庭教師をつけたほうが安かった、なんてことも起こりえます。
● わたしの個別の先生はいい人だったよ!
⇒ 確かに②の塾でもモチベーションが高く指導能力も高い講師は存在します。が、非常に稀な存在です。宝くじとはいいませんがミニロトが当たるくらいの確率です。受験は人生を左右します。受験の最終段階ならば賭けてもいいかもしれませんが、受験のスタート段階である塾選びで一世一代の大勝負をする必要はないのではないでしょうか。
見分け方
ここまでいろいろと書いてきましたが、②の塾があまりよくないということはわかっていただけたと思います。しかしここで問題となるのは②と③の塾をどうやって見分けるのかということです。一人の講師が継続的に教えてくれるかどうかなんて見学にいってもなかなかわかるものではありません。見分ける基準をいくつか紹介します。
基準1:個別のみしか設置されていないのに規模の大きな塾はアヤシイ!
「個」別なのに「大」規模というのは字面からみても矛盾しています。これは講師ではなく教育システムをウリにしているということです。教育システムだけで学力が向上するというのだったら、日本には文部科学省のエリートたちが作った学習指導要領という教育システムがあるじゃないですか。日本の子供は天才だらけのはずですよね。
基準2:最近急激に規模を拡大している塾はアヤシイ!
いい講師を育てることより、より多く校舎を建てることにお金を使っている証拠です。
基準3:合格実績を開示せず面倒見のよさだけを強調する塾はアヤシイ!
なんだかんだ言って塾は合格実績がすべてです。合格実績を前面に出して宣伝するかどうかはその塾の方針次第ですが、普通の塾ならば合格実績はウェブをみれば載っているはずです。載っていないということはとても見せられるような実績ではないということです。
基準4:年中講師アルバイトを募集している塾はアヤシイ!
これはちょっと裏技みたいですが塾講師のアルバイト求人を掲載しているサイトにいってみてください。普通の塾は春から夏前にかけて講師を募集すれば事足りるはずです。もし年中求人を出しているような塾があればその塾は離職率が高い可能性があります。講師がころころ変わることで生徒が受ける不利益は前述したとおりです。
具体的には…
では具体的にはどんな塾が②にあてはまるのか例を挙げてみます。
“営業ゼニトール”こと栄光ゼミナール。彼らは教室数を増やすというたったひとつの目標に向かって日々営業に励んでいる。講師が生徒に演習を課している間に教室を抜け出し必死に営業の電話をかける様はまさにわずかな時間もチャンスへと変える一流ビジネスマンのそれである。また運悪く不合格となってしまった生徒には小学部から高校部まで続く栄光ゼミナールグループが面倒をみるという優しい一面もある。生徒は合格のために授業料を払っているのか栄光ゼミナールのために授業料を払っているのかわからないほどである。
“迷講義塾”こと明光義塾。自立学習支援を標榜し、生徒に自ら学び進んでいく力をつけさせるために講師の役割は解答解説冊子読み上げる等、最小限にとどめている。講師が解答を読み上げる姿をみて生徒は謎の焦燥感に駆られ、やる気を最大限まで引き出される。また時代の変化に即座に対応できる人材を育成するために、アルバイト講師には勤務当日になってから担当科目を伝え、臨機応変な対応させている。CM中に徹底して七転び八起きの精神を教えるとあるが、その第一回目の「転び」は明光義塾に入ったことであることは言うまでも無い。世の中の世知辛さやそれに負けない心を身をもって生徒に教えるすばらしい塾である。
後記;
皆さんいかがだったでしょうか。これを参考によりよい塾選びをしていただけたらと思います。ご意見・ご感想はコメント欄に、何か相談があれば左のメールフォームからどうぞ。また次回。
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