センター試験が終わってしまうと、高校の授業も少なくなりますし、予備校の授業も志望大学のテストゼミが中心になってきます。自宅学習においても赤本等の過去問題集に手をつけることが多くなると思いますが、ある科目の特定分野だけ演習量を増やしたい場合にはどの参考書を選択すればよいのでしょうか。直前期に参考書を選ぶ際のポイントとして最も重要なのは「難しすぎず、簡単すぎないこと」です。当たり前のように聞こえますが、直前期ではこの言葉の意味合いが少し変わってきます。
直前期にする勉強は、より直接的に第1志望校に合格(うか)りにいく勉強です。滑り止め校は自分の実力からみて安全と判断したところなのですから問題ないでしょう。それに対し第1志望校や挑戦校は合格ラインぎりぎりのところにいるわけです。本番でその合格ラインを超えられるかどうかのカギを握っているのは、受験者のほとんどができるやさしい問題でも、誰もできない難しい問題でもなく、解ける人と解けない人がはっきりと分かれる問題(つまりいわゆる差のつく問題)です。そのレベルの問題を集中的に演習することが直前期の最高の対策となるでしょう。そこで紹介するのが以下の問題集です。
『この問題が合否を決める!〈07~09年入試〉 (大学への数学)』 東京出版
『この問題が合否を決める!〈04~06年入試〉 (大学への数学)』
これはもともと月刊誌「大学への数学」の臨時増刊号として出版されていたものをまとめた問題集です。3年分の入試問題を分析してその入試で合否を分けた問題をピックアップして載せています。もちろん、2010年度・2011年度のものも出版されている(ただし、年度ごとに分かれているものしかない)ので、もっと演習したい人は書店を探してみてもいいでしょう。